fc2ブログ

Nils Lofgren - "Nils Lofgren"

2012-07-29 (Sun) | 02:04

 さっき、久しぶりにネット上をブラブラとしていたら こんなランキング を見つけちゃってね。



 ウーム、これ何だか心中複雑なランキングだなぁ。

 別名 "Wizard がこよなく愛するギタリスト番外編" 的な様相を呈しているランキングだよなぁ。



 さて、僕が選ぶ「史上最も過小評価されているギタリスト」はズバリこの人(↓)




Nils Lofgren - 'Back It Up'

(携帯の方は ここ)



 そう、Nils Lofgren (ニルス・ロフグレン) なのだ。



  知名度的には、1984年に Bruce Springsteen (ブルース・スプリングスティーン) の E Street Band に参加して以来、スプリングスティーン絡みでそこそこ知られるようになったのかな?


 でも、ちょっとポピュラー・ミュージックを長く聴いている人なら勿論、Neil Young (ニール・ヤング)に見い出され、17歳で彼の大傑作アルバム "After The Goldrush" に参加し、Crazy Horse (クレイジー・ホース) のメンバーであった事の方が有名なはずだ。

 それに、もう憶えている人はあまりいないのかもしないけど、Mick Taylor (ミック・テイラー) 脱退後のストーンズのギタリスト候補であった事も大変有名な話だ。



 で、この人、ギタリストとして素晴らしいだけではなく、鍵盤もこなし、なかなかいい曲も書く。

 特に、1975年にリリースしたファースト・ソロ "Nils Lofgren" (↓)は実に素晴らしい曲と演奏がたっぷりと詰まった良質なアメリカン・ロックのアルバムだ。



Nils Lofgren-Nils Lofgren
Nils Lofgren - "Nils Lofgren"



 上に紹介した キャッチーなリフ作りが巧い 'Back It Up' もこのアルバムに収録されている。



 さて、ギタリストとしての特徴は上の動画の2:30辺りからギター・ソロを見ればよく分かる。

 まずフラット・ピッカーじゃない(=ピック弾きじゃない)っていう事。

 サム・ピックを装着した親指のアップダウンと余ったその他の指の複合ピッキングという技の持ち主だという事だ。

 これって、カントリー/ブルーグラス系のアコースティック・リード・ギタリスト辺りとよく似たスタイルだよね。

 それと、やたらとハーモニクス奏法が得意っていう事。

 まぁ、ニルスと言えばハーモニクスが代名詞だから。

 ただ、ロビー・ロバートソンとか、ニール・ヤングやヘヴィ・メタル系ギタリストが多用する、フラット・ピックで弦を強くピッキングした後素早く弦に手を触れて出す所謂"ピッキング・ハーモニクス"(僕もこれしか出来ない)じゃないのが特徴。

 それと、所謂ヴァイオリン奏法もよくやる。



 で、このアルバムには僕にとっては宝物のような曲が収録されているんだ。


 それは、今まで色んなアーティストに星の数ほど取り上げられてきた Carole King (キャロル・キング)が書いた数々の名曲の中で最上の物だと断言出来る、The Byrds (バーズ) で有名な 'Goin' Back' の息を飲むような素晴らしいヴァージョンが収録されているんだ。


 ここでは、そのスタジオ・ヴァージョンと同じ位ソウルフルなライヴ・ヴァージョン(↓)で紹介する事にしよう。




Nils Lofgren - 'Goin' Back'

(携帯の方は ここ)



 上にニルスが過って、ストーンズのギタリスト候補だったというエピソードを紹介したけど、この人、熱烈なキース・リチャーズ・フォロワーとしてもよく知られている。


 そういう目で上の動画を見ると、何だか、雰囲気と言うか、投げやりっぽいヤサグれた感じといい、ヘアー・スタイルといい、"巧い"キースみたいでしょう?


 で、そんな筋金入りのニルスのキース・フォロワーぶりの極め付けがこの曲(↓)。




Nils Lofgren - 'Keith Don't Go (Ode To The Glimmer Twin)'

(携帯の方は ここ)



 僕の世代辺りが最後なのかなぁ、この曲タイトルの意味が理解出来るロック・ファンなんて........


 このタイトル、そのものスバリ「キース死なないで」なんていうヤツなのよね。


 70年代末まで、キース・リチャーズとブライアン・ウィルソンって「次に死にそうなロック・アーティスト」のランキングの最有力候補の常連中の常連だったもんね。

 で、キースに至ってはスイスで(ヤクで淀んみきった)血液を全部(クリーンな血液に)入れ替えたなんていうとんでもない噂話がよくロック・ファンの間で語られていたものだ。


 この曲も勿論アルバムに収録されている。



 最後に、もしニルスがミック・テイラーの代わりにストーンズに入っていたら、'Time Waits For No One' の続編ソロに聴こえてしまうこんなソウルフルなソロ(↓)をバリバリ弾いてたかもって僕は想像してしまうんだ。




Bruce Springsteen & The E Street Band - 'Because The Night'

(携帯の方は ここ)



 この曲は勿論、スプリングスティーンが Patti Smith(パティ・スミス) と共作した Patti Smith Group の1978年の有名なヒット曲だ。



 5:00前辺りから始まったソロが5:45~7:00位に架けて凄まじいソウルが溢れ出すピークを迎える。


 素晴らしい。



 「曲」というものがよく分かっているミュージシャンが出す音には、そこに余計な「主張」なんてものはなく、ただそこには「曲」そのものしかないものだよ。

That's All

2012-07-29 (Sun) | 00:26

 「色んな事があって、色んな顔を思い出しながら........」なんて、まるで三流ソングライターが金儲けの為に"それらしく"書きなぐった"腐ったJ-Popか国産フォーク・ソング"のような調子でグダグタ書くのは性分に合わないし........

 とは言うものの、それをまた納得のいくような、ある種の"イマジネイティヴな形"に昇華して書き留めて行く作業をするには、今の僕にはちょっとばかり、時間と精神がタイトでね。


 まぁ、直線的に言えば、このブログは閉鎖の危機に瀕していたという事だ。


 その理由は、恐らく、今だそれぞれ各位の胸の中にある。


 が、"瀕していた" と書いたように、それはそのまま、"継続する事にした"と理解して頂いてよい。



 で、そんなこんなで、暫くブログを更新してない内に、仕事で酷い怪我をしちゃってね。


 まず、左手(正確には左肘)を骨折していて、現在、左手は完全にギブスで固定状態。

 基本的に、肘を曲げた状態で左手のほぼ全体がギブスに包帯でグルグル巻きにされて固定されている状態なものだから、左手のまともな動きは当然ムリ。

 ただ、人間右手一本じゃ食事も出来なきゃ、こうやって、ブログも書けないし、何かと無意識に左手が出てしまうものだ。

 が、そんな時に、肘に少しでも捻りが加わると激痛が走ってしまう。

 勿論、ギターやキーボードはずっと弾いてない。

 ただ、自動車の運転は片道2時間程度(柳川~伊万里とかだね。)の客先なら自分で運転して行っている。

 勿論道中ずっと右手のみの片手運転オンリー。


 実は、左胸の軟骨も骨折しててね。-----これはレントゲンでも写らないような骨らしくて、このまま自然治癒しかないらしいが、結構ズキズキ痛くてね。

 そして、更には、両ひざ共に、ひざ下15cm辺りを強烈に打撲していてね。


 今だに足を半分引きづって歩いているような状況でね。


 上にツラツラ書いた怪我を全部同時-----と言うか、一瞬の出来事だったけど-----に怪我をしてしまってね。


 丁度2週間位前だったのかな?



 いや~ギターも鍵盤も弾けないミュージシャンというのも辛いが、今の時代、(PCの)キーボードが叩けないモノ書きというのもこれまた辛いものだろうね。


 怪我をして初めて、"両手が揃って"こそ、「人類」が「人類」と分類される得る重要な分岐点となった「両手による道具の活用」の時代に到達し得たんだというのが良く体感出来るっていうものだ。


 そうそう、以前何かの本で読んだ記憶があるけど、チンパンジーも「人類」同様に道具を使う「種」なんだそうだよ。

 そんな話題を書き記していて、10代の終り頃に貪るように聴いていた、大好きなこの曲(↓)の事を急に思い出しちゃった。




The Kinks - 'Apeman'

(携帯の方は ここ)



 では、僕の久しぶりの近況は以上で........That's All

So Long, Buddies

2012-07-08 (Sun) | 17:43

 果てしなく続く地平線の先に向かってトボトボと歩いているような感覚に吸い込まれそうになりかけていた例の鹿児島の大型プラント工事も、何とか先日、ユーザーに無事「引渡し」完了まで漕ぎ付ける事が出来、人知れず安堵の表情に固まったままになりがちな僕、Wizardです。



 で、そんな"脳内デフラグ状態"な僕の、"あの日にイカれてしまった脳"に少しばかりの空きスペースが出来た処でフツフツと浮かんで来たのは........

 いや、ずっと感じていた.......

 違う........病に倒れて以来、僕の人生に突きつけられてきた命題をただ自分の胸にしまい込むように努めてきた行為に対する当然な帰結なだけの事........



 そう、それは、僕一人が佇むこの柳川の荒れ果てた、荒んだ田畑のようなシーンの事........

 いや、正しく言い直せば、そもそもここにシーンなどと称するモノはなかったのかもしれない........


 もしそんなモノがあると言うのなら-----

  今頃僕は忙しくて仕方がないはずだろう。

   「可愛さ」と引き換えに背負い込んだ「ボランティアーの」嬉しさに目も廻るような日々なはずだ。


 もしそんなモノがあると言うのなら-----

  聞いてみたいものだよ。

   一体この地の何処に、ミュージシャンと呼び得る連中は存在しているのか?

   一体この地の何処に、口で言ってる程本当に音楽を愛していて、
     その「素晴らし過ぎる台詞」に見合うだけの研鑽(けんさん)を積んでいる連中が存在しているのか?


 ここで言う研鑽とは、死んでも"呑み会"や"お友達会"のような類の"お楽しみショーのリハーサル"のような手合いにもたれ掛かった「腐った音楽的向上心」を指してはいないし、その対象は、ミュージシャンのみならず、音楽に関わっている者全員なのは言うまでもない。




 あの頃.......曲りなりにもミュージシャンと呼び得るような花を咲かせる"可能性"と呼んであげたく思った"種"がこの地に何粒か転がっているのでは?-----という幻想を僕は信じてしまった。

 「可愛さ」と「冷徹な判断」を混同したのは僕個人の明らかなミステイクだ。



 では、一体、僕は何の為........あの頃-----その何粒かの"種"が柳川に転がっていると信じていた頃-----、いくつもの管を体中に繋がれて殺風景な病院のベッドに意識も朦朧とした中横たわりながら、家族に涙ながらに「命と引換え」と言わしめたような "体に過大な負荷を強いるボランティアー活動" を以ってして、自分自身にはまったく必要ない「おたまじゃくしや串団子」と「口煩い小姑のような啓蒙活動」を 今や何の音沙汰もない"仲間と信じ切った連中" に提供する事に溺れて行ったのだろうか?


 ましてや、退院後、そんな家族の切なる願いを密かに裏切りながらも、またしてもそんな「ボランティアー活動」に身を投じて行こうとしたのか?


 
 答えは簡単だ。

 そんな"種"を踏み潰した「犯人」にも「殺人者」にもなりたくもなかったし、あの頃、その"種"をその辺の道端からこの掌に拾った張本人こそがこの僕だったからだ。


 でも、悲しい事に、僕はそれ程の眼力-----「音楽」を聴き分ける事が出来る耳ではなく、「人」を見分ける事が出来る「目」-----は持ち合わせていなかったんだ。



 そう、有体に言うと、それは僕以外の人にとっては「掛け捨て保険」のようなものだったという事が今のこの静まり返ったこの地の有様がはっきりと物語っている。


 それじゃ、僕の家族が言う通り、まるきり命の賭け損っていうものだ。

 もっとも、賭けて損したのは自由主義社会のセオリー-----僕の自己責任の結果-----通りだと言われても仕方がないのは言うまでもない。



 そして........結果、そこには一生を掛けて家族に対して背負って行かなくちゃいけない"重荷"とこの地の悲しい"静寂"が僕には残された。

 そう、それはあれ程愛おしかった"仲間"でも"シーン"でもなく........


 で、結局の処、僕の「ボランティアー」を憶えているようなヤツはこの柳川にはもういやしない。


 それは今現在の"君"の状況が物語っているだろう?


 そこの物影に潜んでいる"君"だよ。


 もうそんな事はどうでもいい。



 何が今、一番胸が張り裂ける位に悔しいかって言うと........


 今現在、生き延びた僕に突きつけられている個人史上の重い問題の事なんかじゃなく、そんな一連のストーリーの最果てに、いまだに"串に刺さった団子"の数もロクに数えられないければ、その団子の色も分からないようなニセモノばかりがこの地で生息していて、影でコソコソと"お楽しみショー"を続けているっていう事実だ。



 僕が命を張って「見せたモノ」「教えたモノ」はこんなモノだったんだろうか?

 僕が退院後に「家族を裏切ってまで続けようとしたモノ」に対する答えはこんなモノなんだろうか?



 それこそが、胸が張り裂ける位に悔しい事だ。


 そうそう、それはまるで高額な「How-Toモノの教材」を借金してまでタダで配布し、ちっとも感謝してもらえない挙句に、結局誰も何も得していないという最悪のシチュエーションのような感じがする。



 結局、家族に言われたような結論-----御人好しにも、シーンの為実働し、汗をかいた僕が、"プッツン"して、声を失っただけ-----に到達してしまい、今この僕を取り巻く"静寂"の中、自分を40数年生かしてきてくれた「音楽の原点」に戻り、他人の為ではなく、自分の楽しみの為、自分が聴きたい音楽を、自分自身で作る事に生き甲斐を見出して行きたいという境地に達する。


 他人の為にお役に立てる事程尊い事はないと思うし、また、それは、人として嬉しい事でもある。

 が、「他人のお役に立つ」のと「他人に利用される」のは全然違う。

 現在僕を取り巻くこの「無能の静寂」が意味する"君"があの頃、退院後、僕に対して使った「掛け捨て保険」の手口-----自分が困った時には他人を頼り、貰えるモノは貰ったら最後、ハイ、サヨナラという生き方-----に対しては、自戒を込めてこう呟くしかない.......「騙される方も悪い」



 結局全てが自己責任の果てに待っていた過酷な運命だという事は、甘んじて受け入れるしかない。


 そして、"君自身"の音楽的レベル(ミュージシャンとしての意味だけじゃないよ)の研鑽を図る事ないまま、ただダラダラ続けたいなら、ただ"お楽しみ"の為に続けたいなのなら、それはそれでもいい。


 ここで言う"君"とは、全員だ。

 お分かり?


 最後に一つだけお願いを書かせてもらいたい。

 もう「あの歌」は終わってしまったんだよ。

 だから、いい思い出だけがこのイカれた脳に残って欲しいものだ。

 故に、お好きにどうぞ。 

 但し、上にツラツラと書いてきた事に何も感じない、又は、感じても感じない振りをしたまま、「安息の日常」に隠れて、コソコソ逃げ隠れしている内に、いつしか僕の「ボランティアー」は「単なる思い出話」に成り下がっている事だけは我慢ならない。



 何故なら-----

 何も生まれず、相いも変わらず、「見渡せばニセモノだらけ」 or 「何もない荒地」のような柳川のシーンでは、また「生贄」が供される歴史を繰り返す事になるから........



 100パーセント今の僕の心情と合致した曲(↓)を紹介しておこう。

 


The Who - 'Song Is Over'

(携帯の方は ここ)




  歌は終わってしまった........

  全ては過去の事........

  僕は気付くべきだったんだ。

  「彼女」が僕を必要としていたって事に........


  僕達の愛は終わってしまった........

  今や奴等は皆先を行っている。

  僕はそれを学ぶ事になった。

  そして僕は唄おう。



  僕は自分の歌を唄うんだ。

    この広く開かれた宇宙に向かって........

  僕は自分のハートをを唄うんだ。

    この無限の海に........


  僕は自分のヴィジョンを唄うんだ。

    空や山に向かって........


  僕は自分の歌を唄うんだ。

    自由に向かって........




  ドアを擦り抜けようとた時、

    僕は気付いたんだ-----


    -----ずっと探していたモノ

        それは自分自身なんだっていう事に........


  「彼女」は僕が始めて唄った歌

    でも........始まった途端に止まってしまった........



  僕達の愛は終わってしまった........

  全ては過去の事........

  今や奴等は皆先を行っている。

  もう僕を探すことすら叶わない........




  僕は自分の歌を唄うんだ。

    この広く開かれた宇宙に向かって........

  僕は自分のハートをを唄うんだ。

    この無限の海に........


  僕は自分のヴィジョンを唄うんだ。

    空や山に向かって........

  僕は自分の歌を唄うんだ。

    自由に向かって........



  歌は終わったんだ。

  僕はただ涙と共に立ち去るのみ........

  僕は覚えてなくちやいけない。

  たとえ百万年先でも........


  歌は終わったんだ。

  歌は終わったんだ。



  過ってピュアーで自由な音が

  細波立つ息の如く自由に演奏されていた........


                       (対訳: Wizard)



 So Long, Buddies

Profile

Wizard

Author:Wizard

Massage Board

★Warehousefull Of Soul★

過去から最新のものまでに至る膨大なWizardのレコーディング・アーカイヴから その音源をありのまま ここ にアップ

★Live Information★

病気の後遺症の為、ソロ・ステージは引退させて頂きました。
Thanks, folks

★Wizard の本棚★


ブクログ
少しずつ整理整頓してみたいと思います。

E-Mail to Wizard

名前:
メール:
件名:
本文: