FC2ブログ

スポンサーサイト

-------- (--) | --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Lookin' Back This Year For The Day Comin' 2016

2016-12-31 (Sat) | 13:17

 今年も恒例の今年のベスト・アルバム等を振り返る記事です。

 何だかこのブログを定期的に書くのが苦しい日々が続いた1年でもあった。

 兎に角仕事が忙しいのが根本要因なんだ。

 特にこの年末はホトホト疲れた。

 今日=12/31もさっきまで仕事をしていた位なんだ。

 それと、ちよっとした記事や所感は facebook で書くのが負担が少ないっていうのもある。

 それと今年は僕的には最高傑作という手応えを感じた新作2枚組アルバム= "Sound Sailin'" をリリース出来た事も誇らしかったね。

 ただ、そのお陰でこの数か月は完全に「燃え尽き症候群」状態でね。

 40年に渡るキャリアで得た音楽的技術を余す処なく注ぎ込んだ、これだけの曲と演奏・ボーカルがぎっしり詰まったアルバムを製作した後、一体「何処に向かって」、「何をモチベーションにして」新曲を書いてレコーディングすれば良いのかって考えると途方に暮れているっていうのが正直な処でね。

 何をしても"焼き直し"のように感じられてね。


 さて、今年も昨年同様に良質なアルバムが多かった印象。

 そんな中、ダントツに素晴らしかったのがポール・サイモン、御年74歳での傑作="Stranger To Stranger"(↓)だったんだよね。


Paul Simon-Stranger To Stranger
Paul Simon-"Stranger To Stranger"


 ポール・マッカートニーやストーンズがある種の"ナツメロ・ショー"的ツアーで荒稼ぎしつつ、過去の栄光を見事になぞったかの如くの新曲で現役感をキープしている(僕はそれ程それを酷い事態だとは感じていないが......)ここ数年のベテラン勢の新譜の中で、突出した現役感と「攻めの姿勢」を展開した1枚だね。

 老いても、「ベテランの味・枯れ」なんて"あってないようなモノ"に逃げない姿勢にポピュラー・ミュージックの"正当な老い方"を見たような気がするね。

 と同時にこのアルバムの共同プロデューサーにクレジットされているのがS & G以来、ポールのソロ作やディランの'Like A Rolling Stone'、ローラ・ニーロの名盤="New York Tendaberry"等の音を作ってきたCBSのエンジニア=ロイ・ハリー(彼は80代だと思う)っていうのがまた途轍もないサプライズだったよね。

 このオープニング・トラック(↓)からしてヤラれたね。


 
Paul Simon - 'The Werewolf'


 次点がこのアルバム(↓)だね。


Kandace Springs-Soul Eyes
Kandace Springs - "Soul Eyes"


 この人、生前のプリンスが結構バックアップしていたらしいんだ。

 で、ジャズで有名なブルーノートからのリリースから想像出来るように、ノラ・ジョーンズのブラック版のような路線と感じている人が多いみたいだね。

 が、僕が最も連想したのはロバータ・フラックだったんだよね。

 そう、ジャズ・ミュージシャンをバックにしたシンガーソングライターのような感触なんだ。

 プリンスもそんな感じを持っていたらしい。

 特にこのオープニング・トラック(↓)なんてダニー・ハザウェイとのコンビて゜活躍していた70s初頭のロバータ・フラックを感じさせる。



Kandace Springs - 'Talk To Me'


 演奏能力、ソングライティング能力に恵まれたホンモノのミュージシャンのホンモノの音楽がまだきちんと生きている事を実感させられる素晴らしいアルバムだね。


 次に、一時期夢中になって聴いていたこのバンドの新作(↓)が久しぶりに聴き応え充分だった。


Tortoise-The Catastrophist
Tortoise - "The Catastrophist"


 「ポストロック」っていうジャンルと共に語られてきた彼等だけど、今以って「ポストロック」という呼称に馴染めない僕にしてみれば、ここで提示されたロック、ジャズ、ダヴ、クラウトロック等をテクノロジーを以ってして有機的にミックスする手法は、方法論としては60sのビートルズやフランク・ザッパの偉大なる実験を通して既に体験済のモノなんだよね。

 ただ、ある時期=70s末~80s初頭のニュー・ウェイヴの頃に出現した従来のロック、フォーク、ソウルとは異質な音楽=レゲエ、現代音楽、クラウトロック(=ジャーマン・ロック)に基軸を置いた手法の現代的到達点に彼等のサウンドの本質の新しさ(と同時にある種の伝統性)があるように思える。

 つまり、僕にしてみればこのアルバムの良さとは、現代のニュー・ウェイヴの最良な部分を代表しているっていう事。

 では、このアルバムでつい聴き入ってしまうこのメランコリックな曲(↓)を紹介する。



Tortoise - 'The Clearing Fills'


 ハーモニーの動き(≒コード進行)が実に素晴らしいのと、リズムボックス的な音の加工処理が良いね。


 次は、リラックスした夜に最高なこのアルバム(↓)だ。

Mark Barrott-Sketches From An Island 2
Mark Barrott - "Sketches From An Island 2"


 言ってみれば彼はハウス、クラヴ・ミュージック系の人なんだけど、このアルバムに強く感じるのはブライアン・イーノが演っているのと同質のアンビエント・ミュージック的質感なんだ。

 だが、本質的にアンビエント・ミュージックと言い難い部分もある。

 だって、シンプルながら曲が進行するんだもの。

 アンビエントだと、進行しない。

 ひたすら1~4小節のフレーズをレピートする事が多いからね。

 それと、ここには、もっと高度なハーモニーがある。

 ある意味、70sソウル・ミュージックに近い感管すら感じられる。

 そんな意味ではこの曲(↓)辺りが分かり易いと思う。



Mark Barrott - 'Brunch With Suki'


 ここにマーヴィン・ゲイの 'What's Going On' を聴き取るのは容易い事だと思う。


 次は、聴いてみたら想像以上に良かったベテランのこのアルバム(↓)だ。


Iggy Pop-Post Pop Depression
Iggy Pop - "Post Pop Depression"


 何処となくデヴッド・ボウイとのベルリン時代の名盤を思わせる部分と現在進行形のガレージ系サウンドが上手くマッチングした良作だね。

 何でも本作がイギーのラスト・アルバムになるとの話も聞こえてきているけど、音を感じる事とそんな事はあまり関係ないね。

 その手の引退騒動はボクサーやアーティストのプロモーション手段の典型だからね。

 聴こえてくる音のみが興味と評価の対象だ。

 ではこのアルバムで僕が一番気に入った曲(↓)をアップしておく。



Iggy Pop-'American Valhalla'


 さて、今年のリイシュー関連ではこの豪華なボックス(↓)を挙げないワケにはいかないだろう。


Pink Floyd-The Early Years 1965-1972
Pink Floyd - "The Early Years 1965-1972"


 基本的に、僕は70s後半~80s初頭の所謂「ロジャー・ウォーターズ独裁時代」の曲は好きじゃないんだよね。

 何だかN渕のような臭いフォーク調の幼稚な曲を大風呂敷的「コンセプト」でクドクトと大袈裟に展開するようなシロモノばかりと感じられてね。

 その点、ここには大好きなシド・バレットの曲や、デヴィッド・ギルモアのギターがたっぷりと詰まっているのがいいね。

 ギルモアのギターってスタジオ盤だけでは充分にフォローし切れない部分が多いからね。

 そういう意味では、ライヴが数多く収録されたこのボックスには、ギルモアのギターって「こんなに凄かったんだ」って感じられる瞬間が多い。

 それと、大袈裟なビック゜・バンドになる前のアフター・サイケデリック時代の実験的なフロイドの姿がよく捉えられているのも好印象。

 ここでは音をアップしないけど、動画サイト辺りで探してみてもらいたい。

 特にポンペイのライヴ・ビデオ辺りがお勧めだね。


 それに続くのが僕が死ぬ程影響されたバンド=ザ・フーの傑作デビュー・アルバムのデラックス版(↓)だ。


The Who-My Generation [50th Anniversary Super Deluxe Edition]
The Who - "My Generation [50th Anniversary Super Deluxe Edition]"


 このリイシューもこの手の最近の傾向同様、あの手この手の水増しで拡大する手法で編纂されているのがちと辛いが......

 だけど、今日においてもオリジナル盤の歴史的重要性はこれっぽちも下がっていないのがこのアルバムの凄い処でね。

 簡単に言えば、オリジナル・ロンドン・パンクの起点だという事。

 兎に角、衝撃的な程にアメリカのソウル・ミュージックやブルースを白人アート・スクール系解釈を以って、ある種の現代音楽にも共鳴する音楽に変質させている部分に熱いモノを感じる。

 ギターのトグルスイッチを素早く動かしてマシンガン的な音を出したり、マイクスタンドに弦を擦り付けたり、フィードバックを大胆に使ったりっていう「新しい音を出す実験」を色々と試している処がアート系たる所以であり、現代音楽的でもある所以だ。

 で、その系統はある意味、ニューヨーク・パンクに引き継がれていると感じているのは僕だけだろうか? ニューヨーク・パンクはアート系出身が多い-----例えばトーキング・ヘッズとか。

 で、様々な(モノラルとかステレオ、フル・ヴァージョンだとか)些細な違いよりも僕の興味を惹いたのはDisc 5に収録されているピート・タウンゼントのデモなんだよね。

 実は僕、ピートのデモの熱狂的マニアなんだ。

 彼のデモは公式・非公式を問わずかなりコレクションしている。

 驚くべき事に、デビュー当時(1965年)で既に自宅スタジオでのワンマン・レコーディングで相当なクオリティのデモを作っていたっていう事でね。

 恐らく、最も初期に自宅スタジオを持ったミュージシャンだったはずだよ、ピートは。

 ここでの目玉は後に"Sell Out"(1967年)アルバムにアコギ弾き語りで収録されていたかなりジャズ、ボサノヴァ的なコード進行を持つ高度な曲='Sunrise'を既にこの時期にデモ・レコーディングしていたっていう事。

 知ってる人は知ってるけど、ピートって両親共がプロのジャズ・ミュージシャンだった事もあり、幼少の頃からジャズを浴びてきた後にロックンロールの波に衝撃を受けてその双方の影響が見える曲を書き始めたっていう経緯なんだよね。

 よって、オリジナル盤の歴史的意義とピートの素晴らしいデモを合わせて素晴らしいっていう事でここでピックアップした次第。


 次点は若い連中にこそ聴いて欲しいこの凄まじいライヴ・アルバムの拡大リイシュー盤(↓)だ。


Van Morrison-It's Too Late to Stop Now Vol. I II III IV & DVD
Van Morrison - "It's Too Late to Stop Now Vol. I II III IV & DVD"


 これは僕も大好きだった1973年ツアーからのライヴ・アルバム="It's Too Late to Stop Now"の拡大盤だね。

 そのオリジナル盤は今回Vol. Iとしてリマスターされており、同ツアーからのその他未発表ヴァージョンを残りCD3枚(=Vol. II~IV)にまとめてある。

 こういった本質的ソウル・ミュージックが理解出来ない世代が増えてきたね、最近。

 感情表現をボーカルに求める事が無く、寧ろサウンドの中の1つの記号としてしか聴けない感性が蔓延しているように感じる。

 ここでは予告編(↓)をアップしておこう。



Van Morrison-"It's Too Late to Stop Now (Trailer)"


 次は、DVDなんだけど、実は今年一番面白かったのがこのドキュメンタリー(↓)なんだよね。


フランク・ザッパの軌跡 1969-1973
"フランク・ザッパの軌跡 1969-1973"


 ザッパが最も実験性とポピュラリティを高次元で両立させていた時代を追ったドキュメンタリーだ。

 実に丁寧な日本語字幕が付けられているので、ザッパ初心者にもその世界感が分かりやすい点、と同時に、僕のような上級者にも嬉しい要素も多く収録されており総合点は途轍もなく高い。

 では、世界中のザッパ・ファンが最も一押しすると思われるこのジャズ・ロックの名曲(↓)を紹介しておこう。



Frank Zappa-'Peaches En Regalia'


 この曲をリーディング・トラックとした歴史的名盤="Hot Rats"は1969年作なんだよね。

 ちゃんと音楽の歴史を追えてる人ならそれだけでピンとくるハズだ。


 ジャズ・ロックをエレクトリック・ジャズという言葉に置き換えれば分かる。

 つまり、その手のジャズ(ここ日本では僕が絶対使わない「フュージョン」と言えば分かり易い)の先駆となったのが同じ1969年作の大傑作="In A Silent Way"だった事は皆が口にする定説なワケでね。

 が、同じ頃、ロック側からのアプローチとしてこんな先駆的名盤が生まれていた事を見落としている人が実に多いのが残念だ。


 さて、本の方も今年は豊作だったね。

 例の如くおびただしい数の本を読んでいるのだけど、その中で特に面白かったモノを以下に記しておこう。


 ・「パイドパイパー・デイズ 私的音楽回想録 1972-1989」 著者: 長門芳郎

   これは音楽通なら一度は聞いた事がある青山にあった伝説のレコード店=パイドパイパーハウスのオーナーであり、シュガー・ベイブや細野晴臣氏等のマネージャーをしていた著者の自伝。

   僕は遠い九州の人間としては幸運な事に、パイドに数回行ってレコードを購入した経験があるんだ。

 ・「自伝 鈴木茂のワインディング・ロード はっぴいえんど、BAND WAGONそれから」 著者: 鈴木茂

   御存知はっぴいえんどのギタリストの自伝であり、60s-70sの日本のロックの息吹が伝わる良作。

 ・「サウンド・マン 大物プロデューサーが明かしたロック名盤の誕生秘話」 著者: グリン・ジョンズ

   ザ・フーやストーンズ、ツェッペリン、ステーヴ・ミラー・バンド、イーグルス等の数々の名盤の音を作ってきたエンジニア系プロデューサーの自伝であり、春頃の この記事 でで紹介していたね。

 ・「フューチャー・デイズ クラウトロックとモダン・ドイツの構築」 著者: デヴィッド・スタッブス

   この物凄く分厚い本はクラウト・ロック(=ジャーマン・ロック)を相当な分量のドイツ文化の歴史と本質を交えながら紐解いた力作。

 ・「ポール・マッカートニー 告白」 著者: ポール・デュ・ノイヤー

   これはポールの長いスパンの渡るキャリアを1本の線上で総括した本。

 ・「自由民主党の深層」 著者: 大下英治

   自民党の歴史本だ。

 ・「乃木希典と日露戦争の真実」 著者: 桑原嶽

   これは日本人としてぜひ読んでもらいたい本だね。

   ある意味、司馬遼太郎の彼の有名な「坂の上の雲」のアンサー本とも言え、乃木大将と日露戦争の実像を書いた傑作。

コメント

コメントの投稿

非公開コメント


Profile

Wizard

Author:Wizard

Massage Board

★Warehousefull Of Soul★

過去から最新のものまでに至る膨大なWizardのレコーディング・アーカイヴから その音源をありのまま ここ にアップ

★Live Information★

病気の後遺症の為、ソロ・ステージは引退させて頂きました。
Thanks, folks

★Wizard の本棚★


ブクログ
少しずつ整理整頓してみたいと思います。

E-Mail to Wizard

名前:
メール:
件名:
本文:

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。