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Marvin Gaye - "What's Going On"

2005-12-15 (Thu) | 00:00

 今迄の人生の中で、一番聴いた回数が多いアルバムの1つ、Marvin Gaye の "Wat's Going On" について書いてみたい。


Marvin Gaye - What's Going On


 従来からよく語られてきた事に、ベトナム戦争や環境問題等の社会意識を反映した歌詞の素晴らしさがあるのだが、ここでは純粋に音楽的な事について書いてみたい。



 まず、特徴的なのは、

   ①パーカッション類の多用と James Jamerson のPrecision
       Bass の絡みによるポリリズム感
   ②Marvin 自身のオーバーダブによる擬似デュエット風
       Vocal Work
   ③JazzやDoo Wopをベースに、コード感やリズム感を統一した
       曲をテープ・エディットにより、ノンストップにつなげた
       トータル・アルバム的構成

といったところか?

 ①については、以外とドラムが平坦なリズムを叩いている分、パーカッション類とベース(スラップなし)がそのリズム感をリードしており、16ビート系の派手なドラムにスラップ・ベース、ホーンまでがリズム・セクションっぽいFunk系と比べると、よりソフィストケイトされたポリリズムを感じ取りやすいのではないだろうか?
(これはその他の 'New Soul' にも割と共通した質感だ。)

 個人的に一番気になっている部分は、'Mercy Mercy Me' において、スネアに重ねられているリバーブたっぷりのボンゴ(?)で、この手法は自分のレコーディングでもよく使っている。

 ある意味で、複数の音色でスネアなりキックなりを構築する、今日のクラブ系サウンドと同じ発想で、後年の "Let's Get It On" 収録の 'Distant Lover' でも使われている手法だ。
(実は、本アルバムでレコーディングされた 'Distant Lover' の原曲を "Deluxe Edition" で聴く事が出来る。)

 世の中には同じような感覚の人がいるもので、数年後にDiscoやFunk系で流行った、スネアにハンドクラップを重ねる手法や、その延長線と考えられる、Prince のローファイなハンドクラップ・サウンド ("1999" ~ "Around The World In A Day" 期によく聴かれた)、国内では、ピチカート・ファイブの 'カップルズ' ("月面軟着陸" 収録) などが一例として挙げられると思う。

 また、以外に、Brian Wilsonの 'Pet Sounds' ~ 'Smile' 期に顕著なハーカッション・サウンドに近い感じを受けたりもする。

 そう言えば、Motown初期 (60's前半)、Marvin は度々セッション・ドラマーとして色々なセッションに
参加していたというし、後年の 'Sexual Healing' が80'sの打ち込み系R&Bを先取りしていたとよく語られてきたりした事からも、ユニークなリズム感覚の持主であった事がうかがえる。

 また、リズム・セクションについて以外と語られていない事に、Marvin 自身がすべてのピアノを演奏している点がある。



 ②については、他のミュージシャンのレコードでは聴かれない、独特の手法とは思うが、ある種、ラフなハーモニーとも言え、むしろ、後年の "I Want You" 辺りで完成された、「前後左右上下Marvinだらけ」といった感じのVocal Work のプロトタイプと僕は捉えてる。

 但し、声そのものについては、ソフトなJazzスキャット風から、例の喉を絞るような発声に至るまで、
非常にバラエティにとんでおり、素晴らしいと思う。



 ③については、とにかく曲が良いの一言。

 僕としては、まず曲が第一という考え方で、曲が悪ければ、いくら名演のオンパレードでもつまらなく感じる方なので、これは重要な事だ。

 その上で、JazzやDoo Wopの影響についてなのだが、Marvin 自身、Doo Wopの名門グループである The Moonglows の末期メンバーだった事、特にMotown初期にはJazzボーカル物に執着して数枚のアルバムを残している事などからもわかるように、他の歴史的アーティスト同様、回帰すべきルーツがあり、そのルーツを独自に解釈・展開していく能力を持ち合わせていたと言える。

 Doo Wopの影響が一番強いのは、'Wholy Holy' だろうか?

 特に具体的なメロディとかフレーズというよりも、Doo Wop特有の過剰なまでのロマンティックさ、ムーディーさ、スウィートネスをある種の「聖」の域にまで展開していくところは得意なパターンのようで、
後年も度々やっている。
(Doo Wopの影響についての最高のサンプルは、Marvin が Pre-What's Going On" の時期にプロデュース、ソング・ライティングをした、Motownの中堅グループ The Originals の 'Baby I'm For Real' 等の名曲群ですので、一聴をお勧めする。)

 Jazzに関しては、'What's Going On' や、'Inner City Blues' のスキャット部分、'What's Happening Brother' の「Are things really gettin' better...」部分や、'Save The Children' のボーカル・ライン全般に強く影響を感じるが、僕個人としては、'Save The Children' 後半の12/8拍子のJazzドラミングと舞い上がるようなサックス・ソロの部分が最も好きな部分で、このリズム展開には非常に弱い。
(Carol King がこのパターンは得意で、'Raspberry Jam'、'Music'、'Snow Queen' 等があるし、又、最近では、Brian Wilson が 'Let's Go Away For Awhile' をライブで取り上げる際のエンディングで、非常に近い感覚のアレンジをしている。)

 テープ・エディトによるノンストップ化については、Frank Zappa 以降、数々のアルバムで試みられてきまが、ここでのポイントは、特にアナログ盤でいうところのA面に顕著な、コード感やリズム感の統一だと思う。

 元々のモチーフ自体が非常に秀逸なので、そのバリエーションをノンストップで展開されると、ある種のムードの中に深く横たわったような感覚になる。

 このコード感やリズム感を統一したトータル・アルバム的構成という点で以外に近いのは、The Who の "Tommy" あたりではないだろうか?
('Tommy' の場合、単音ではなく、コード・リフに Sus4 を絡ませたモチーフを頻繁に使う事で統一感を出している。)



 さて、その他で個人的に気になっている部分は、グロッケンの多用と 'Mercy Mercy Me' のエンディングにオーバーダブされたVoice風のメロトロンだ。

 あと、'Mercy Mercy Me' エンディングに入ってくるピアノの音が音飛びしたような感じでちょっと変。

 発表当時は良かったものが、マスター・テープの保管が悪くてリイシュー時にそうなったのか、パンチ・インのタイミングが悪くて、当時からおかしかったのか僕にはわからないけど......



 最後に、このアルバムに影響されたものはものすごく多いんだけど、極めつけのやつは、J.R. Bailey の "Just Me'n You" (ここまでくると笑える位に似ている!!) ではないか?

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