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 お引越し 以来、当然の如く、夜のウォーキング・コースが変わった。

 今のコースは途中、ちょうど柳川の中心地付近の川下りコースに沿うように整備されている遊歩道を歩く事が多い。



 昼間の観光客やガイドさん、川下りの舟と船頭の声、街の雑踏等が見せる顔とは違い、凄く物寂しい、たった一人だけの世界がそこにはある。

 岸で「骨休め」する、主なき多くの舟と、そのウォールペーパーみたいな、街灯が照らし出す水面に映る柳の枝のパントマイム......

 高校生の頃、3Fの教室の窓辺から、頭の中でメロディを追いながら眺めていた水流より、今見ているものの方が、美しく澄んでいるように感じるのは、何故だろう?

 市の努力によって浄化された結果なのか?、年月を経た、こちらの心象の変化なのか?-----知る由もない。



 CDの曲間にある、わざとらしい完全無音のような寂しさを否定したくて、My iPod の選曲を "Favorites" という、子供の頃から好きで好きで聴き込んできた結果、ステレオ空間の何処かに数十分の一秒しか存在しない微音ですら認識出来る位の「生涯のお気に入り」ばかりを集めたプレイリストを再生してみる。

 けど、柳のパントマイムがワン・アクション演じる間に、どうしても1曲が通り過ぎて行ってしまう。

 ささやかなパフォーマンスの前で、あれ程好きだったフレーズやコードやハーモニーが、わけなく崩れ落ちて行く......

 この、「夜という名のスピーカー」からこぼれ落ちてくる「静寂の波形」には、僕の「発狂した」音なんかより、余程 Soul があるようだ。

 いや、元々僕は Soul などと呼び得るものを持ち合わせていたのだろうか?

 そして思う。

 その「静寂の波形」とは、如何なる人々にとっても 歪みようのないフィーリング なのかもしれないと......


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